年金だけじゃ暮らせない時代へ──高齢者世帯のリアルな生活実態【2024年調査】

貧困 気になる世の中
【最新】高齢者世帯「生活が苦しい」割合は55.8%。一方で「年金だけで生活する高齢者」41.7%→43.4%に増加(LIMO) - Yahoo!ニュース
2025年7月4日、厚生労働省より「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」が公表されました。最新データによると、年金だけで生活できる高齢者世帯は43.4%。 前年からの変化とともに、「年金

2025年7月4日、厚生労働省が発表した「2024年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の高齢者世帯の現実が改めて浮き彫りになりました。

報告によれば、「年金だけで生活できている」と答えた高齢者世帯は全体の43.4%。つまり、半数以上の人が年金収入だけではやっていけないという状況にあります。

老後の安心は年金だけではまかなえない──そんな声が、統計データとしても現実味を帯びてきました。

今回の調査結果から、高齢者世帯の収入構造や生活実感について詳しく見てみましょう。

年金だけで生活する高齢者は43.4%

調査によると、「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」という世帯が43.4%で、2023年の41.7%から微増しています。

裏を返せば、半数以上の世帯は年金以外の収入源を必要としているということです。

このような現実から、「年金+α」で生活を支える工夫がますます必要になっています。

高齢者世帯の平均所得は314万8000円

1世帯あたりの平均所得は年間314万8000円。そのうち63.5%が年金で、働いて得る収入(稼働所得)は25.3%を占めています。

つまり、収入の約4分の1は「今も働いて得たお金」であり、完全リタイアした高齢者はそれほど多くないのです。

年金以外に頼れる収入源としては、財産所得(預金や配当など)が4.6%、仕送りや企業年金などが6.0%となっています。

できる範囲で働き続けることは、心身の健康にも良い影響を与えるといわれています。

生活が「苦しい」と感じる高齢者は55.8%

生活実感では、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が合わせて55.8%にのぼり、過半数に達しました。

「普通」は40.1%、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」は合わせてわずか4.2%。老後の暮らしが決して楽ではないことがわかります。

特に、年金額の個人差によって生活の余裕には大きな開きがあります。

公的年金の平均月額

厚生年金の平均月額は14万6429円(男性:16万6606円、女性:10万7200円)。国民年金の場合は全体で月5万7584円と、必要な生活費には遠く及ばないケースも多いです。

現実的には、持ち家があるか、配偶者と二人で暮らせるか、家族からの支援があるかなどでも生活の形は異なってきます。

また、生活の孤立はメンタルにも影響を与えやすく、セルフネグレクトや孤独死のリスクもあります。

老後を安心して過ごすために

年金だけでは暮らせない現実を前に、私たちは何をすべきでしょうか。

まずは「自分の年金見込額を知ること」が大切です。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で将来の年金額を確認し、備えを考えるきっかけにしましょう。

そして、生活費の補填手段として、副業・就労・節約・地域活動など多様な選択肢を検討しておくことも有効です。

高齢期は「なんとかなる」ではなく、「今から備える」時代になりました。

あなた自身の生活に合わせた対策を、今日から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

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