
「遺族年金があるから大丈夫」は危ないかも?
配偶者の死後に受け取れる「遺族年金」。
「夫の年金の4分の3はもらえるって聞いたから安心」と思っていませんか?
ですが、それは制度を誤解したままの危険な安心感かもしれません。
実際、遺族年金をあてにしていた方が、思ったよりも支給額が少なく「どうやって暮らせばいいのか…」と絶望するケースは少なくありません。この記事では、遺族年金の注意点と、ありがちな勘違いを整理してお伝えします。
■ よくある誤解:「年金の4分の3がもらえる」
この言葉、よく聞きますが正確には間違いです。
遺族年金として受け取れるのは、亡くなった方が受給していた「老齢厚生年金の報酬比例部分」の4分の3だけです。
つまり、国民年金にあたる老齢基礎年金の部分は対象外。
夫が月16万円の年金を受け取っていたとしても、すべての4分の3(=月12万円)をもらえるわけではありません。実際には6万円ほどになるケースもありえます。
■ 自分の年金と合算できるとは限らない
さらに注意したいのは、自分の年金と遺族年金が必ずしも両方満額もらえるわけではないという点です。
もし自分自身にも厚生年金(会社員として働いた分の年金)がある場合、遺族年金と合わせて満額すべてを受け取れるとは限りません。 国の制度上、2つの年金を両方ともそのまま受け取ることはできず、どちらかが一部カットされる場合があります。 また、夫が「年金は遅くもらうと増えるから」と繰下げ受給をしていたとしても、その増えた分は、遺族年金には引き継がれません。 つまり、夫が年金を増やしていたとしても、遺された家族が受け取る金額には関係ないという点も注意が必要です。
■ なぜこんな勘違いが起きるのか
遺族年金の制度は、とにかく複雑です。
説明を受けても、一度では理解しにくい部分が多く、家族や知人の“なんとなくの知識”を信じてしまう人が多いのです。
「遺族年金があるから大丈夫」と言っていた配偶者が亡くなった後、「こんなはずじゃなかった」と困るケースは現実に多くあります。
■ 備えあれば憂いなし
まずは、自分の年金と配偶者の年金額、それぞれの構成(厚生年金と基礎年金の割合)を確認しておきましょう。
そして、年金事務所や年金相談センターで、実際にいくら受け取れるのかシミュレーションしてもらうのがおすすめです。
さらに、保険や貯蓄、住居費なども含めた生活設計を、自分の目で確かめておくことが大切です。
■ まとめ:自分の老後は「聞いた話」で決めない
年金制度は、生活の柱になるものですが、勘違いが命取りにもなりえます。
人から聞いた話やネットの断片的な情報ではなく、自分の目と耳で確認する姿勢が何よりの備えです。
年金制度は、生活の柱になるものですが、勘違いが命取りにもなりえます。
人から聞いた話やネットの断片的な情報ではなく、自分の目と耳で確認する姿勢が何よりの備えです。
また、最近の制度改正の影響も見逃せません。特に遺族年金制度の改正とその影響についても、事前に理解しておくことが大切です。
遺族年金を当てにしている方、今一度、「本当にそれで足りるのか?」を見直してみてください。

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