前回は、消防法に基づく危険物のルールや規制について学びました。今回はそれに関連して「違反した場合どうなるのか」「乙4資格者にはどのような責任があるのか」を整理していきます。試験でも実務でも重要なテーマであり、高齢者がセルフスタンドで働く際にも理解しておくべき内容です。
消防法違反とは何か
消防法違反とは、危険物を法律に定められた基準やルールに従わずに取り扱ったり、施設を運営したりすることを指します。たとえば「指定数量を超えて危険物を無許可で貯蔵する」「金属製携行缶以外でガソリンを運ぶ」「消火設備を設置しないまま営業する」などが典型例です。
これらは火災や爆発を引き起こす大きなリスクにつながるため、厳しく取り締まられています。
行政処分と刑事罰
違反が発覚した場合、まず市町村や消防署からの使用停止命令・改善命令が下されます。改善が行われなければ営業停止につながることもあります。また、悪質な場合や事故につながった場合には刑事罰が科され、事業者や責任者が罰金や懲役刑を受けることもあります。
乙4試験では、これらの処分や罰則が「危険物を取り扱う上での責任」として出題されることがあります。
資格者の責任
セルフスタンドの監視員として勤務する場合、乙4資格者は「危険物取扱者」として現場の安全管理責任を担います。もちろん、すべての違反が資格者個人の責任になるわけではありませんが、「給油禁止違反を見逃す」「危険な取扱いを黙認する」といった行為は資格者自身の責任を問われる可能性があります。
試験対策では「資格者が立ち会っていなければならない場面」や「監督義務の内容」がよく問われます。実務では「自分の監視下で起きていることに責任を持つ」意識が重要です。
高齢者が注意すべき点
高齢者がスタンド勤務をする場合、細かい法律条文まで覚える必要はありません。しかし「どの行為が危険で違法なのか」「監視員として何を止めるべきか」を理解しておくことが大切です。たとえば「携行缶以外への給油は必ず禁止する」「給油中に喫煙している人がいればすぐ注意する」といった対応です。これは法律だけでなく、現場での安全に直結します。
今日のまとめ
- 消防法違反は、危険物を基準に従わず扱う行為を指す。
- 違反すると使用停止や改善命令、悪質な場合は刑事罰を受けることもある。
- 乙4資格者は現場の監視責任を担い、危険行為を見逃すと個人の責任になる可能性がある。
- 高齢者は「何が危険行為か」を理解し、現場で止める意識を持つことが重要。
次回予告
次回は「物理・化学の基礎(燃焼の仕組み)」について解説します。乙4試験の理解に欠かせない“燃えるとはどういうことか”を学んでいきましょう。
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