【高齢者のための乙4講座 第8回】第4類危険物の代表例──ガソリン・灯油・軽油など

セルフガソリンスタンドの給油機を斜め横から撮影した写真。危険物取扱者乙4講座のアイキャッチ画像。 おとなの副業と手続き帳

これまで燃焼の仕組みや引火点・発火点を学んできました。今回からは乙4試験の中心となる「第4類危険物」の代表的な物質を取り上げます。とくにガソリン・灯油・軽油は身近であり、試験でも必ず問われる重要ポイントです。

ガソリン

ガソリンは第4類危険物の代表格で、第一石油類に分類されます。特徴は引火点が-40℃前後と極端に低いため、常温でも簡単に引火することです。蒸気は空気より重く、床面や低い場所に滞留しやすく、少しの火花で爆発的に燃え広がります。

また、爆発範囲が1.4〜7.6%と広い点も危険性を高めています。セルフスタンドでの監視業務において、もっとも注意すべき物質といえます。

灯油

灯油は第二石油類に分類されます。引火点は40℃前後と比較的高く、常温ではすぐに引火しません。そのため家庭用燃料としてストーブや給湯器などに広く使われています。

ただし「安全」と思い込みすぎるのは危険です。大量に貯蔵したり、こぼして広い面積に広がった場合には引火の危険があります。試験では「ガソリンに比べると危険度が低いが、指定数量を超えると規制対象になる」点を押さえましょう。

軽油

軽油も第二石油類に分類されます。引火点は50℃前後と灯油よりやや高く、常温では燃えにくい性質です。主にディーゼル車の燃料として利用されています。

灯油と同じく日常的に大量に扱われるため、貯蔵や運搬には消防法の規制がかかります。試験では「灯油よりさらに引火しにくい」という相対的な位置づけを理解しておくことが重要です。

アルコール類(メタノール・エタノール)

アルコール類も第4類危険物に含まれます。エタノールの引火点は13℃前後で、常温でも十分危険です。飲用のイメージが強いですが、危険物としての性質は忘れてはいけません。

メタノールは毒性が強く、誤飲すると失明や死に至る危険があるため、試験では「毒性」もセットで問われることがあります。

試験での出題傾向

  • ガソリン=引火点が極端に低く、蒸気は空気より重い。
  • 灯油=引火点が40℃前後で、ガソリンより危険度は低い。
  • 軽油=引火点が50℃前後で、灯油よりさらに引火しにくい。
  • アルコール類=引火点が低く、メタノールは毒性を持つ。

出題では「危険度の順番」や「分類(第一石油類・第二石油類など)」がよく問われます。

高齢者におすすめの覚え方

数字を丸暗記するより、「ガソリン=特に危険、灯油=家庭用でも油断禁物、軽油=さらに安全だが規制対象、アルコール=毒性も注意」とイメージで覚えるのが効果的です。こうした整理は試験でも現場でも役立ちます。

今日のまとめ

  • ガソリン=第一石油類。引火点が極端に低く、蒸気が危険。
  • 灯油=第二石油類。比較的安全だが、大量取扱いは危険。
  • 軽油=第二石油類。灯油よりさらに引火しにくい。
  • アルコール類=引火点が低く、メタノールは毒性がある。

次回予告

次回は「危険物の指定数量と貯蔵規制」について解説します。消防法で定められた数量基準を押さえ、試験に出やすい数値を整理していきましょう。

コメント