これまで燃焼の仕組みや引火点・発火点を学んできました。今回からは乙4試験の中心となる「第4類危険物」の代表的な物質を取り上げます。とくにガソリン・灯油・軽油は身近であり、試験でも必ず問われる重要ポイントです。
ガソリン
ガソリンは第4類危険物の代表格で、第一石油類に分類されます。特徴は引火点が-40℃前後と極端に低いため、常温でも簡単に引火することです。蒸気は空気より重く、床面や低い場所に滞留しやすく、少しの火花で爆発的に燃え広がります。
また、爆発範囲が1.4〜7.6%と広い点も危険性を高めています。セルフスタンドでの監視業務において、もっとも注意すべき物質といえます。
灯油
灯油は第二石油類に分類されます。引火点は40℃前後と比較的高く、常温ではすぐに引火しません。そのため家庭用燃料としてストーブや給湯器などに広く使われています。
ただし「安全」と思い込みすぎるのは危険です。大量に貯蔵したり、こぼして広い面積に広がった場合には引火の危険があります。試験では「ガソリンに比べると危険度が低いが、指定数量を超えると規制対象になる」点を押さえましょう。
軽油
軽油も第二石油類に分類されます。引火点は50℃前後と灯油よりやや高く、常温では燃えにくい性質です。主にディーゼル車の燃料として利用されています。
灯油と同じく日常的に大量に扱われるため、貯蔵や運搬には消防法の規制がかかります。試験では「灯油よりさらに引火しにくい」という相対的な位置づけを理解しておくことが重要です。
アルコール類(メタノール・エタノール)
アルコール類も第4類危険物に含まれます。エタノールの引火点は13℃前後で、常温でも十分危険です。飲用のイメージが強いですが、危険物としての性質は忘れてはいけません。
メタノールは毒性が強く、誤飲すると失明や死に至る危険があるため、試験では「毒性」もセットで問われることがあります。
試験での出題傾向
- ガソリン=引火点が極端に低く、蒸気は空気より重い。
- 灯油=引火点が40℃前後で、ガソリンより危険度は低い。
- 軽油=引火点が50℃前後で、灯油よりさらに引火しにくい。
- アルコール類=引火点が低く、メタノールは毒性を持つ。
出題では「危険度の順番」や「分類(第一石油類・第二石油類など)」がよく問われます。
高齢者におすすめの覚え方
数字を丸暗記するより、「ガソリン=特に危険、灯油=家庭用でも油断禁物、軽油=さらに安全だが規制対象、アルコール=毒性も注意」とイメージで覚えるのが効果的です。こうした整理は試験でも現場でも役立ちます。
今日のまとめ
- ガソリン=第一石油類。引火点が極端に低く、蒸気が危険。
- 灯油=第二石油類。比較的安全だが、大量取扱いは危険。
- 軽油=第二石油類。灯油よりさらに引火しにくい。
- アルコール類=引火点が低く、メタノールは毒性がある。
次回予告
次回は「危険物の指定数量と貯蔵規制」について解説します。消防法で定められた数量基準を押さえ、試験に出やすい数値を整理していきましょう。
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