【高齢者のための乙4講座 第9回】危険物の指定数量と貯蔵規制

セルフガソリンスタンドの給油機を斜め横から撮影した写真。危険物取扱者乙4講座のアイキャッチ画像。 おとなの副業と手続き帳

前回は第4類危険物の代表例として、ガソリン・灯油・軽油・アルコール類の特徴を整理しました。今回は、それらを実際に取り扱う際に必ず関わってくる「指定数量」と「貯蔵規制」について解説します。乙4試験では数値問題として頻出分野です。

指定数量とは?

指定数量とは、消防法で定められた「これ以上の量を扱う場合には許可や規制が必要となる基準量」を指します。危険物は一定量を超えると火災時の被害が大きくなるため、厳しい管理が求められます。

例えばガソリンの場合、指定数量は200ℓ。つまり、200ℓを超えて貯蔵・取り扱うときは市町村長の許可が必要となります。

第4類危険物の主な指定数量

  • 特殊引火物:50ℓ
  • 第一石油類(ガソリンなど):200ℓ
  • アルコール類(エタノール・メタノールなど):400ℓ
  • 第二石油類(灯油・軽油など):1000ℓ
  • 第三石油類(重油など):2000ℓ
  • 第四石油類(潤滑油など):6000ℓ

この数値は乙4試験で暗記必須です。すべてを覚えるのが難しい場合は「ガソリン200ℓ、灯油・軽油1000ℓ、アルコール400ℓ」の3つを優先的に押さえましょう。

指定数量の倍数と規制

危険物の規制は「指定数量を超えるかどうか」だけではなく、「指定数量の何倍か」によって変わります。これを指定数量の倍数といいます。

例えばガソリンを1000ℓ貯蔵している場合、指定数量200ℓの5倍となります。この「倍数」に応じて必要な設備や消火器の数が変わるため、実務でも重要な考え方です。

貯蔵の規制

危険物を貯蔵する場合、構造や設備に厳しい規制があります。たとえば、地下タンク貯蔵所、屋外タンク貯蔵所などは消防法で細かく条件が決められています。また、消火器の設置数も「指定数量の倍数」によって増えていきます。

セルフスタンドの場合、ガソリンや軽油を大量に取り扱うため、必ず法令に基づいた設備と監視体制が整備されています。乙4資格者はその中で「監視員」として安全を守る役割を担います。

試験での出題ポイント

  • 「指定数量の定義」を問う問題
  • 「ガソリン200ℓ、灯油・軽油1000ℓ、アルコール400ℓ」を中心とした数値暗記
  • 「指定数量の倍数」による規制強化

数字は混乱しやすいですが、まずは代表的なものから覚え、過去問演習で慣れていくのがおすすめです。

高齢者におすすめの覚え方

数字は忘れやすいので「語呂合わせ」や「イメージ」で覚えると効果的です。例えば「ガソリンは車200台分=200ℓ」「灯油は一斗缶50缶分=1000ℓ」といった具合に、生活に結びつけると記憶に残りやすくなります。

今日のまとめ

  • 指定数量=危険物の量を規制する基準値。
  • ガソリン200ℓ、灯油・軽油1000ℓ、アルコール類400ℓは必須暗記。
  • 指定数量の倍数によって規制内容や設備が強化される。
  • 覚えるときは数字を生活のイメージに置き換えると覚えやすい。

次回予告

次回は「その他の第4類危険物」について解説します。重油や潤滑油といった試験頻度は低めでも押さえておきたい物質を整理します。

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