ブロックチェーンの社会での使われ方──仮想通貨だけではない応用例

黒い背景に薄緑とオレンジのラインが重なり、その上に白字で斜めに「Blockchain」と書かれたイメージ画像。ブロックチェーン技術を象徴する抽象的なデザイン。 気になる世の中

「ブロックチェーン」と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのはビットコインなどの仮想通貨でしょう。確かにこの技術が世に広まったきっかけは仮想通貨ですが、実はそれ以外にもさまざまな分野で活用が始まっています。

ここでは、仮想通貨に限らないブロックチェーンの応用例を、できるだけわかりやすく紹介していきます。ニュースで見かける難しい言葉も、具体的な使われ方を知れば少し身近に感じられるかもしれません。

不動産や土地の登記

日本では法務局が不動産の登記を管理していますが、手続きには時間と費用がかかります。ブロックチェーンを使えば、所有者の記録を分散して安全に残すことができ、書き換えられないので不正も防げます。すでに海外の一部の国では、土地の登記にブロックチェーンを活用する試みが始まっています。

食品の流通を追跡する

スーパーで買う野菜や魚が「どこで獲れたのか」「どのルートで運ばれてきたのか」を正確に知ることができれば安心です。ブロックチェーンに記録を残すことで、生産者から消費者までの流れを一目で確認できるようになります。これをトレーサビリティと呼びます。食の安全を守る大きな武器になるのです。

医療や介護の記録

病院や介護施設ごとにバラバラに管理されている診療記録を、本人の同意のもとでブロックチェーンにまとめて保存することも可能です。転院や引っ越しのたびに説明を繰り返す必要がなくなり、医療の質も向上します。セキュリティ面でも「改ざんされない」ことが強みになります。

契約の自動化(スマートコントラクト)

ブロックチェーンには「スマートコントラクト」という仕組みがあります。あらかじめ決めた条件が満たされると、自動的に契約が実行される仕組みです。たとえば「家賃が振り込まれたら、自動で電子鍵を使えるようにする」といったことも可能になります。人を介さずに契約が動くため、コストの削減やトラブル防止につながります。

芸術作品やデジタルデータの証明(NFT)

絵画や音楽、デジタルアートなど「本物であることを証明する」ためにもブロックチェーンは使われています。これがNFTと呼ばれる仕組みです。コピーが簡単にできるデジタルの世界で、「この作品の正しい持ち主は誰か」を証明できるのは大きな意味があります。

行政サービスへの応用

海外では、選挙の投票記録や住民票の管理にブロックチェーンを使う取り組みも始まっています。日本でもマイナンバー制度と結びつけて応用できる可能性があり、行政の透明性を高める技術として注目されています。

安心と課題の両方がある

このように、ブロックチェーンは仮想通貨以外でも幅広く応用されています。共通するのは「改ざんできない」「みんなで記録を共有する」という特徴を活かしていることです。

一方で、課題も残されています。システムを運用するには多くのコンピューターが必要で、電力消費が大きい点は以前から指摘されています。また、一般の人が気軽に使うには、まだ仕組みが複雑すぎるという問題もあります。

これからの社会の土台に

ブロックチェーンは、まだ発展の途上にある技術です。しかし、私たちの生活のさまざまな場面で「信頼できる記録」を残す仕組みとして、少しずつ存在感を増しています。ニュースで聞いたときに「これは仮想通貨だけじゃなく、いろいろなところで使えるんだな」と思えるだけでも理解はぐっと深まります。

これからの社会において、ブロックチェーンは静かに、しかし確実に広がっていく技術だと言えるでしょう。

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