最近、テレビや新聞、インターネットでも「ブロックチェーン」という言葉を見かけることが増えました。でも、説明を読んでも専門用語ばかりでよくわからない…。そんな方のために、できるだけわかりやすく、この新しい技術についてご紹介します。
ブロックチェーンとは「みんなで共有するノート」のようなもの
ブロックチェーンとは、たくさんの人が同じ内容を見られる「記録帳(ノート)」のようなものです。大事なのは、そこに書かれた内容をあとから書き換えたり、消したりすることができないという点です。
たとえば、誰かが「AさんからBさんへ1万円を送った」という情報を書いたとします。それが1ページ目の記録(=ブロック)です。次の記録は2ページ目、また次は3ページ目…というように、どんどん記録が「つながって」いきます。
この「ブロック(記録のまとまり)」が「チェーン(鎖)」のようにつながっているので、「ブロックチェーン」と呼ばれているのです。
ひとつの場所で管理しない「分散型の仕組み」
普通の銀行や会社では、記録はひとつのコンピューターやサーバーで管理されます。でも、ブロックチェーンは世界中の人が同じ内容を持ち合っているという仕組みです。
たとえば、100人の人が同じノートをコピーして持っていて、誰かが何かを書いたら100人のノートに同時に記録されるイメージです。だから誰かがこっそり書き換えても、他の99人のノートと違ってしまうのですぐにバレてしまいます。
どんなところで使われているの?
ブロックチェーンが使われている代表的なものは、ニュースでもよく聞く仮想通貨(暗号資産)です。たとえば「ビットコイン」などは、この仕組みで取引を管理しています。
それ以外にも、次のような使い道が広がっています:
- 土地や建物の登記(所有者の記録)
- 食べ物の産地や流通の記録(トレーサビリティ)
- 契約書を自動で実行するしくみ(スマートコントラクト)
- 美術品やデジタル作品の証明書(NFT)
まだ日本では身近とは言えませんが、世界ではさまざまな分野で使われ始めています。
ブロックチェーンのいいところ
この技術が注目されている理由は、次のような安心できるポイントがあるからです。
- あとから書き換えられない(改ざんができない)
- 特定の人だけが操作できない(みんなで管理)
- 透明性がある(記録が公開されていて確認できる)
つまり、「誰かが勝手に操作して私だけ損をする」ようなことが起きにくい仕組みなのです。
とはいえ、まだ課題もある
ブロックチェーンはとても便利な技術ですが、課題もあります。
- 専門用語が多く、一般の人にはわかりづらい
- 使うにはある程度のパソコンやスマホの知識が必要
- 仮想通貨などでは詐欺やトラブルも起きている
便利さと安心感の裏には、「正しく理解して使う力」が求められているとも言えるでしょう。
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ブロックチェーンはこれからの土台になる技術
ブロックチェーンは、まだ一般には馴染みのない言葉かもしれません。でも、その考え方はとてもシンプルで、「みんなで記録を共有し、誰もごまかせない仕組み」をつくる技術です。
これからの社会では、このような信頼できる記録の技術がますます重要になっていくと考えられています。難しい話ではありますが、少しずつでも知っておくと、ニュースの理解にも役立つはずです。
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