眠れない夜にやってはいけない5つのこと──高齢者のための快眠のヒント

眠れない夜にやってはいけない5つのこと──高齢者のための快眠のヒント 高齢者の健康と暮らし

夜中に目が覚めてしまい、時計を見ては「また寝られない」と焦ってしまう──。そんな経験、ありませんか?
年齢を重ねると睡眠が浅くなり、早朝覚醒や中途覚醒が増える傾向があります。しかし、その「眠れない夜」に何気なくとっている行動が、実はさらに眠りを遠ざけていることもあるのです。

今回は、高齢者が眠れないときに避けたい行動を5つご紹介します。安眠へのヒントとして、ぜひお役立てください。

1. 時計を何度も確認する

「もう◯時か…」「あと何時間寝られるか…」と時計を確認しては不安が増し、脳が覚醒してしまいます。
睡眠において“何時に寝たか”よりも“眠れたかどうか”が重要です。時計は見えない位置に置いて、時間を気にしないようにしましょう。

2. ベッドの上で長時間もんもんと過ごす

寝床で1時間以上眠れないと、ベッド=「眠れない場所」という条件づけが起こってしまいます。
眠れないと感じたら、一度起きて別の部屋で静かな音楽を聴いたり、軽くストレッチをしてから再び寝床へ戻るのが効果的です。

3. スマホやテレビをつける

ブルーライトは睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げます。スマホで検索したり、テレビをつけると、かえって目が冴えてしまいます。
もし何かするなら、紙の本や目を閉じて呼吸を整えるほうが良いでしょう。

4. 睡眠薬やサプリを自己判断で飲む

「眠れないから」と市販薬やサプリメントに頼る前に、まず生活習慣の見直しが先です。
自己判断での服用は、かえって日中のふらつきや記憶障害を招くことも。医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

5. 次の日の予定を気にして焦る

「明日は早いのに…」「また昼間に眠くなる…」と考えると、プレッシャーで余計に眠れなくなります。
むしろ「眠れなくても横になって休めていればOK」と考えるだけで、心が落ち着き、自然と眠気が戻ることがあります。

寝酒(アルコール)の落とし穴

お酒を飲むと眠くなるというのは事実ですが、実際には「途中で目が覚めやすくなる」ため逆効果です。
特に高齢者はアルコールの代謝が遅く、夜中にトイレが近くなったり、逆に不眠が強まることもあるため注意が必要です。

入浴と夕食のタイミングにも注意

寝る直前の入浴や、遅い時間の夕食も眠りの質を下げる原因になります。
お風呂は就寝の1〜2時間前、夕食は遅くとも寝る3時間前には済ませるようにしましょう。

感情の整理に「日記」という手段を

不安や悩みが眠りを妨げるなら、心の中にあることを紙に書き出すのもおすすめです。
日記をつけることで頭が整理され、自然と気持ちが落ち着くことがあります。「眠る前の心のストレッチ」として、続けてみるのも一つの方法です。

寝室の環境を整えることも忘れずに

室温は夏なら25〜27度、冬は18〜20度を目安に。
音や光を遮るカーテン、乾燥を防ぐ加湿器、寝返りしやすいマットレスなども、質の高い睡眠には欠かせません。
「眠れない」の原因が環境にあることも少なくありません。

眠れない夜は誰にでもあります。だからこそ、慌てずに「眠れない自分」を責めず、優しく受け入れることが、メンタルの安定にもつながっていきます。
今日もお疲れさまでした。あなたの夜が少しでも静かで、穏やかでありますように。

コメント