夏になると、体調管理に気を配る方が増えます。けれど、「いつも通り」の習慣こそが、夏の高齢者にとって危険な落とし穴になることがあります。今回は、健康のためにやっているつもりでも、実は夏には避けるべき“危ない日課”を5つ取り上げ、その理由と対策をお届けします。
❌ 朝の散歩を早朝に無理して出かける
涼しいうちに歩こうと、早朝の散歩を日課にしている方も多いでしょう。ところが、夏の早朝は湿度が非常に高く、汗が蒸発しにくいため体に熱がこもりやすい状態です。高齢者は汗をかきにくく、のどの渇きも感じにくいため、熱中症のリスクが高まります。
対策:気温だけでなく湿度も確認し、体調が少しでも不安な日は無理をしない。帽子と水分を忘れず、散歩の時間は短めに。
❌ 日中に庭仕事や草むしりをしてしまう
雑草が伸びやすい夏は、つい庭の手入れに時間をかけがちです。けれども、炎天下での作業は非常に危険。汗をかいても気づかず脱水が進んだり、ふらつきやめまいを起こすこともあります。
対策:朝か夕方の短時間(15分以内)に区切り、長時間の作業は避けましょう。帽子やアームカバー、水分を常備することも忘れずに。
❌ お風呂上がりにそのまま寝てしまう
湯上がりの気持ちよさに、つい横になってそのまま寝てしまう──という方も多いですが、体温が急に下がることで血圧が乱れたり、体が冷え過ぎることがあります。冷房や扇風機をつけたまま寝るのも危険です。
対策:入浴後は軽く体を動かしたり、常温の水を飲んでから休むようにしましょう。寝る前のうたた寝は短時間にとどめるのが安心です。
❌ 喉が渇いたときだけ水分をとる
「喉が渇いたら飲めばいい」と思いがちですが、高齢者は渇きを感じにくく、知らないうちに脱水が進んでいることがあります。特に夜間のトイレを気にして水分を控える人は要注意です。
対策:こまめに少しずつ飲むことが大切。麦茶や経口補水液などを、1日6〜8杯を目安に摂りましょう。トイレが近くなるのが気になる方は、日中にしっかり飲んでおく工夫を。
❌ エアコンを我慢してしまう
「冷房は体に悪い」「もったいない」と我慢していませんか?実はその我慢こそが熱中症や睡眠障害を引き起こす要因になります。特に夜間の寝苦しさは、心臓や脳への負担にもなりかねません。
対策:日中は室温28℃を目安にエアコンを使用。扇風機を併用するのも効果的です。就寝時も冷房をタイマーではなく、朝まで緩くつけたままにしておくと安心です。
まとめ
「昔は大丈夫だったから」「少しくらい平気」と思っている日課が、実は今の気候では命取りになることもあります。特に高齢者は、体のセンサーが鈍くなっているため、対策を“早めに・こまめに”行うことが大切です。
この夏、自分の日課を見直し、安全に過ごすヒントとしてぜひ参考にしてください。
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