Q：「椅子に座って動画を見ていると、いつの間にか眠ってしまうことが増えました。目が覚めると、体が痺れたように動けない時間が少し続くことがあります。特に暖房の効いた部屋で起こりやすいようです。これって、何か体の不調のサインでしょうか？」
年齢を重ねると、体調の変化がさまざまな形で現れます。その中でも、体の不調や気になる症状を感じることが増えてきたと感じる方も多いのではないでしょうか。特に、高齢になると、普段は元気に過ごしていても、突如として体が「痺れる」「動けない」といった感覚に悩まされることがあります。
今回は、そうした体の不調、特に「椅子に座って動画を見ているといつの間にか眠ってしまう」「眠りから覚めても体が痺れていて動けない」といった悩みを抱えている方に向けて、その原因と対策について考えてみたいと思います。
1. 体が「痺れるような」感覚の正体
まず、体が「痺れるような感覚」とは、どんな現象なのでしょうか。実際に体が痺れているわけではなく、感覚的に痺れていると感じることがある場合、これにはいくつかの原因が考えられます。
一つは、血流の問題です。長時間同じ姿勢で座っていると、体の一部が圧迫されて血流が滞り、その結果、動こうとしても体が鈍く感じられることがあります。特に高齢者は、筋肉や血管の柔軟性が低下しているため、血行不良が起きやすいのです。
また、神経が一時的に圧迫されることも影響しているかもしれません。椅子に座ったままで、姿勢が悪い状態が続くと、神経が圧迫されて「痺れたような感覚」を引き起こすことがあります。この状態が、目を覚ましたときに体を動かすのが難しくなる原因の一つです。
2. 暖房と血行不良の関係
特に冬の時期、暖房をつけて暖かい部屋で過ごすことが多くなりますよね。暖房が効いている部屋では、体が温まりリラックスしがちですが、この状態が逆に血流に影響を与えることがあります。
暖房による暖かさが体に与える影響は、体温が上昇することで血管が広がり、血流が変化することです。リラックスして座っていると、筋肉や関節が緩んだ状態で血液が滞りやすくなり、体が痺れたように感じたり、動きにくくなることがあります。
また、暖房の影響で部屋の空気が乾燥しがちです。この乾燥も、体調に悪影響を与える可能性があります。乾燥した空気が呼吸を不快にしたり、肌が乾燥してかゆくなることがあるので、そうした不快感が体の感覚に影響を与えることも考えられます。
3. 「睡眠麻痺」の可能性
体が動けなくなる感覚があるとき、思い当たるのは「睡眠麻痺」という現象です。これは、寝ている間に筋肉が一時的に麻痺した状態になることがあり、目を覚ましても体が動かせないという感覚に襲われることがあります。意識はあるのに体が動かないため、まるで体が痺れているように感じることがあるのです。
この「睡眠麻痺」は、特に眠りが浅くなる時間帯に起こりやすく、長時間同じ姿勢で寝ているときや、ストレスや疲れがたまっている時に発生することがあります。高齢者は、若い頃に比べて深い睡眠をとることが難しくなり、浅い眠りが多くなります。このため、眠りのサイクルが乱れることで、睡眠麻痺が起こりやすくなるのです。
4. 日常生活でできる対策
では、このような症状に悩まされている場合、どのように対処すればよいのでしょうか。まずは、体調に気を配り、少しずつでも改善策を取り入れていくことが大切です。
- 姿勢を見直す
長時間同じ姿勢で座っていることが多い場合、定期的に姿勢を変えることが重要です。椅子に座るときは、背筋を伸ばし、膝が直角になるように座るよう心掛けましょう。また、椅子の高さやクッションを調整して、体に負担がかからないようにすることもおすすめです。 - 血行を促進する
血行不良を防ぐためには、軽いストレッチや歩行が効果的です。少し立ち上がって歩いたり、手足を軽く動かすだけでも血行が促進されます。座っているときにも、足を組まないようにし、定期的に体を伸ばすよう心掛けるとよいでしょう。 - 温度管理に注意する
暖房を効かせることは寒い季節には必須ですが、部屋の温度が高すぎると、体が緩みすぎて逆に血行が悪くなることもあります。温度は20度前後を目安に調整し、適度な湿度も保つようにしましょう。また、時々窓を開けて換気を行うことも、空気の質を良く保つために大切です。 - 寝室の環境を整える
寝ている間に体が動かなくなる感覚を避けるために、寝室の環境も見直してみましょう。寝具を自分の体に合ったものに変えたり、寝室の温度や湿度を調整することで、睡眠の質が向上することがあります。また、就寝前にリラックスする時間を作り、ストレスを減らすことも効果的です。
5. まとめ
高齢になると、体調に関する悩みが増えることは避けられません。しかし、少しの工夫や対策をすることで、こうした不調を和らげることができます。体が「痺れる」感覚や「動けない」感覚を感じたときは、無理をせず、自分の体をいたわることが大切です。
もし症状が続いたり、改善しない場合は、医師に相談することも一つの方法です。体調を無理に押さえつけることなく、生活環境を見直し、少しずつでも快適に過ごせる方法を探していきましょう。
コメント