和田秀樹医師は、高齢者の健康維持について、特に重要なポイントをいくつか強調しています。その中でも、「うつ病」と「男性ホルモンの重要性」に焦点を当てています。これらの問題に対する和田医師の考え方を以下に詳しくまとめます。
うつ病とそのリスク
和田医師が最も恐れている病気として挙げているのが「うつ病」です。うつ病は、高齢者にとって非常に身近でありながら、その危険性が十分に理解されていない病気です。一般的に、うつ病の有病率は若者で約3％程度ですが、65歳以上になるとその割合は5％に増加します。高齢者は、心と身体が密接に結びついているため、心が弱ると身体も弱りやすくなり、その逆もまた然りです。
うつ病になると、食欲不振に陥りやすく、これが脱水症状を引き起こす要因となります。脱水症状が起きると、血液が濃くなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。また、免疫機能が低下することで肺炎も発症しやすくなり、結果的に体力が落ち、最悪の場合、命に関わる事態となることもあります。さらに、高齢者が抱える喪失体験や孤独感が深まることで、自殺のリスクも増大します。
うつ病の治療と予防
うつ病は治療が可能な病気です。特に高齢者の場合、脳内のセロトニンという神経伝達物質の不足が原因でうつ病が引き起こされることが多く、このセロトニンを補う薬が非常に効果的です。和田医師の診療経験では、脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、奥さんを亡くして「もう生きすぎました」と嘆いていた高齢者が、うつ病と診断され、薬を服用した結果、再び笑顔を取り戻し、食欲も回復したケースがあると述べています。
予防の観点からも、日常的にセロトニンを増やす生活習慣を取り入れることが大切です。セロトニンの材料となるトリプトファンが多く含まれる食品、例えば肉や魚、大豆製品、乳製品、バナナなどを積極的に摂取することが推奨されています。これにより、うつ病の発症リスクを減らすことが期待できます。
「足し算医療」の重要性
和田医師は、高齢者の健康維持には「足し算医療」が必要であると考えています。年を取ると、栄養や運動、性ホルモンなどが不足しがちになります。これらが不足することで、さまざまな健康問題が発生します。従来の「引き算医療」とは異なり、足りないものを補うことで健康を維持し、生活の質を向上させることが「足し算医療」の考え方です。
特に男性ホルモンの補充が重要です。男性ホルモンが減少すると、筋肉がつきにくくなり、筋力低下が進みます。これが原因でサルコペニアやロコモティブシンドロームといった運動機能障害が発生しやすくなります。和田医師のクリニックでは、男性ホルモンが不足している患者に注射を行い、多くの患者が元気を取り戻しています。具体的には、75歳の男性が久しぶりに朝勃ちを経験したり、10年ぶりに風俗に行ったという報告も受けたことがあると述べています。
肉を食べ、運動し、男性ホルモンを増やす方法
男性ホルモンを自然に増やすためには、食生活と運動が鍵になります。まず、コレステロールを多く含む肉を積極的に摂取することが推奨されています。コレステロールは男性ホルモンの材料となり、特に高齢男性にとっては重要です。また、牡蠣やニンニクには亜鉛が豊富に含まれており、これも男性ホルモンを増やす効果があります。これらの食品を日常的に取り入れることが、健康維持に役立ちます。
運動も男性ホルモンを増やすために効果的です。筋肉を維持し、体力を保つためには、定期的な運動が不可欠です。さらに、和田医師はエッチな動画を見ることや、女性のいるお店に行くことも男性ホルモンを増やす手段として提案しています。こうした活動が難しい場合でも、食生活と運動を通じて、男性ホルモンを補うことが大切です。
女性の健康と男性ホルモン
一方、女性の場合は閉経後に男性ホルモンが増える傾向があり、その結果、元気で活発に過ごすことができる人が多いとされています。女性は年を取っても人づき合いが盛んになりやすく、団体旅行でも女性が多いことが一般的です。和田医師は、男性と女性が協力してお互いの健康を支え合い、特に男性ホルモンの重要性を意識することが大切だと述べています。
まとめ
和田秀樹医師は、高齢者が健康で充実した生活を送るためには、心と身体の両面からのアプローチが不可欠であると強調しています。うつ病の予防にはセロトニンを増やすことが重要であり、男性ホルモンを補充することで、筋力や意欲を維持し、フレイルや要介護状態を防ぐことが可能です。肉を食べ、運動を続け、必要に応じて医師のアドバイスを受けることで、高齢者が元気で健康的な生活を送るための土台を築くことができるのです。
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