最近、漫画家の倉田真由美さんがSNSで、高齢者が病院を「サロン代わり」に利用している現状について話題にしました。彼女は、「少し具合が悪くなるとすぐに病院に行き、たくさんの薬や湿布をもらってくる。それが当たり前になっているが、これが続けば国の医療制度が持たなくなる」と懸念しています。
病院は本来、病気やケガを治すための場所です。しかし、高齢者の中には、病院で顔見知りと会うことを楽しみにしている人も多く、これが「サロン化」の一因となっています。軽い症状でも頻繁に病院に行くことで、本当に治療が必要な人が後回しになってしまうケースも出てきます。
病院がサロン化することでの問題
病院が高齢者の「サロン」として利用されることには、いくつかの深刻な問題があります。
まず、医療リソースの浪費が挙げられます。病院は限られたスタッフと設備で運営されており、軽い症状で頻繁に訪れる高齢者によって、緊急性の高い患者への対応が遅れる可能性があります。これにより、医療の質が低下し、救急患者や重症患者に十分なケアが行き届かなくなるリスクが高まります。
さらに、病院が高齢者の交流の場となっていることから、診療時間が長くなりがちで、診療の効率が悪化します。これにより、待ち時間が長くなり、他の患者にも迷惑がかかります。また、医師や看護師にかかる負担も増え、医療従事者のストレスが高まることも考えられます。
このように、病院が本来の目的を果たせなくなることで、医療費の増大も懸念されます。無駄な受診が増えることで、国全体の医療費が上昇し、その結果、私たち全員が負担を負うことになります。
大量の薬の処方とその影響
病院を頻繁に訪れることで、たくさんの薬をもらう高齢者が増えているのも問題です。複数の薬を同時に服用することで、薬の効果が強くなりすぎたり、副作用が出やすくなったりします。特に高齢者は代謝が遅く、薬が体内に蓄積しやすいため、多くの薬を飲むことには慎重になるべきです。
しかし、薬を出すことで利益を得る仕組みがあるため、病院や薬局は多くの薬を出すことをやめにくいのが現状です。この過剰処方が続けば、医療費の増大がさらに進み、医療制度全体が厳しい状況に陥る可能性があります。
マスコミがこの問題を取り上げない理由
この問題を多くの人に知ってもらうためには、テレビや新聞の協力が必要です。しかし、マスコミが積極的に取り上げない理由もいくつかあります。
テレビや新聞の主な視聴者や読者は高齢者層であり、そのため、高齢者が不快に感じる内容を避ける傾向があります。病院のサロン化や薬の過剰処方を批判する報道は、視聴者離れを招く恐れがあるため、マスコミが慎重になっているのです。また、薬を製造する製薬会社は大きなスポンサーであり、スポンサーとの関係を悪化させる可能性があることも、取り上げられない一因と考えられます。
解決策
この問題を解決するためには、高齢者自身が病院のサロン化や過剰な薬のリスクを理解し、医療リソースを適切に利用することが重要です。自治体や地域の施設が協力し、病院以外で高齢者が集まれる場所を提供することも効果的です。
地域の公民館や高齢者センターで健康講座や交流イベントを開くことで、病院のサロン化を防ぐ取り組みが進められます。また、医療機関でも、患者に対して本当に必要な医療とそうでない医療の違いをしっかり説明することが求められます。
まとめ
病院がサロン化し、薬が大量に処方されることは、医療制度全体に大きな問題を引き起こします。高齢者が気軽に病院を訪れることで、医療リソースが無駄に使われ、本当に必要な医療が提供されにくくなるリスクがあります。この問題を解決するためには、高齢者自身の意識改革と、地域社会全体でのサポートが不可欠です。
コメント