JA解体はジャパンマネー流出の布石か?──郵政民営化と重なる制度改革の危うさ

米農家 時事ネタ

小泉進次郎氏が掲げる「農協解体論」

近年、JA(農協)改革が政治の大きなテーマとなっています。とくに小泉進次郎氏は、「農業の成長産業化」を掲げ、JAを時代遅れの組織とみなし、民間主導の仕組みに再編すべきと訴えています。

JAが持つ金融機能──その資産規模

JAは、ただの農家の集まりではありません。信用事業(JAバンク)・共済事業(JA共済)・経済事業(流通)を三本柱とし、なかでもJAバンクの資産は100兆円規模。これは郵便貯金に匹敵する規模であり、地方金融の屋台骨です。

民営化と株式会社化の本当の狙い

2015年の農協法改正により、地域JAの株式会社化が可能となりました。透明性向上やガバナンス改革が名目ですが、実際には外資が出資・買収できる構造をつくる動きと見る向きもあります。

郵政民営化と重なる危うさ

小泉純一郎政権下で行われた郵政民営化では、ゆうちょ銀行・かんぽ生命が外国ファンドの投資対象となり、日本人の貯金が海外に流出しました。JA解体が進めば、同じことが起きるという危惧が現実味を帯びます。

「カーギルが狙っている」「中国企業が運営を担う」──広がる懸念

SNSやネット上では、米穀物大手「カーギル(Cargill)」が全農の商社部門に関心を示し、買収を画策しているとの情報が流れています。また、その運営を中国国営企業「COFCO(中国糧油食品集団)」が請け負うという“二重構造”の懸念も広がっています。公式には確認されていない話ですが、外資が入りやすい制度設計が現実に進んでいるのは確かです。

地銀や共済も投資対象になる?

JAは単に農作物の流通を担うだけでなく、地域密着の金融機関でもあります。これが株式会社化され、外資が株を持てば、資金の流れは「地域貢献」ではなく「株主利益」優先になります。共済や倉庫事業なども対象になれば、農村インフラごと支配される危険性もあります。

「改革」の美名のもとに進む資産流出

改革という言葉は聞こえが良いですが、資産の持ち主である地域住民や農家の意見は十分に反映されているでしょうか。組合員の総会決議が必要とされていますが、制度変更でこのハードルが下がれば、実質的には国主導の資産開放になりかねません。

守るべきは「農業」ではなく「地域の金融と生活」

JA解体が進めば、地方の資金が外に吸い上げられ、地域が疲弊する恐れがあります。守るべきは「農業支援機構」だけでなく、「暮らしを守る地元の金融基盤」でもあるのです。

冷静に見極め、声をあげる時

この問題は農家だけでなく、すべての国民に関係があります。郵政の時と同じ過ちを繰り返さないためにも、冷静な議論と情報開示、そして国民の関心が不可欠です。

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