50代が転換期 老害化を防ぐために学び続ける重要性

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"老害"になるかどうかは50代が分かれ道…「仕事がデキる人」から「キレる高齢者」に変わってしまう人の共通点(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
年齢を重ねると感情がコントロールできず、怒リやすくなる人が一定数いる。こうした“老害”にならないためにはどうすればいいのか。社員教育コンサルタントの朝倉千恵子さんは「年齢に関係なく学び続けることが重

この記事は、「老害」と呼ばれるような不快な高齢者になるリスクを避けるために、特に50代以降の人々がどのような行動を取るべきかを詳しく説明しています。年齢を重ねるにつれて感情のコントロールが難しくなり、特に50代はその分岐点となりやすいとされています。この記事では、老害化を防ぐための最善の方法として「学び続けること」が強調されています。

1. 老害化のリスク

まず、老害化とは、年を取ることで感情のコントロールが難しくなり、他人に対して不快な態度や行動を取るようになる現象を指します。街中で理不尽に怒り散らす高齢者の姿や、SNSで話題になる職場や公共スペースでの不愉快なエピソードは、その典型的な例です。老害化は一部の高齢者だけの問題ではなく、意識的に防止策を講じない限り、誰もが直面する可能性のある問題です。

50代という年齢は、この老害化が顕著に現れる転換期とされています。老害化を防ぐために何をすべきか、その鍵は「学び続けること」にあると筆者は述べています。これは、単に知識を得るためだけでなく、脳や感情を活発に保ち、年齢に伴う自然な衰えを防ぐための重要な手段です。

2. 学び続けることの重要性

学び続けることがなぜ重要か、それはヘンリー・フォードの名言に集約されています。フォードは、「学びを止めた者は20歳だろうと80歳だろうと老人であり、学び続ける者は皆若い」と言っています。この言葉が示す通り、学びを止めると人間の成長は止まり、衰退が始まります。

筆者がこれまでに出会った20万人以上のビジネスパーソンの中にも、若い頃に非常に優秀だったにもかかわらず、年を重ねてから悪い意味で変わってしまった人たちがいました。彼らは過去の栄光にしがみつき、新しい知識やスキルを取り入れることを怠った結果、他人の意見を受け入れず、何度も同じ話を繰り返すようになりました。このような態度は、周囲から疎まれ、孤立する原因となります。

3. 脳の老化と感情のコントロール

50代を老害化の分岐点とする理由の一つは、脳の老化です。年齢と共に身体が衰えるのと同じように、脳も使わなければどんどん衰えていきます。特に、感情のコントロールを司る前頭葉の老化が大きな問題です。前頭葉は幼い子供のように未発達な状態では感情的な言動を引き起こしやすく、40代を過ぎるとこの部分が萎縮し始めると言われています。これが、年を重ねるにつれて気難しくなったり、イライラしたりする原因となります。

脳の老化を防ぐためには、脳に刺激を与え続けることが必要です。学びを続けることは、脳を活発に保つための「筋トレ」と言えるでしょう。身体と同様、脳も鍛えることが可能であり、何歳になってもその効果を期待することができます。

4. フィードバックの減少と自己認識の鈍化

50代を転換期とするもう一つの理由は、社会的な立場の変化です。この年代になると、多くの人が職場である程度のポジションについていることが多く、若い頃とは異なり、周囲からのフィードバックが減少します。フィードバックとは、自分の行動や考え方に対する他者からの意見や指摘のことであり、それが少なくなると、自分を客観的に見つめ直す機会が減ってしまいます。

周囲からの指摘がなくなると、知らず知らずのうちに「裸の王様」状態になり、自分自身の欠点や課題を見落とすことになります。これは非常に危険であり、老害化の要因の一つです。

5. 若い友人を持つことの重要性

筆者が推奨する老害化防止策の一つに、「若い友人を持つこと」があります。年齢が離れた若い世代との交流は、新しい視点や価値観を提供してくれます。筆者自身も若い頃に父親世代の人々にかわいがられ、今では逆に20〜30代の若い人たちと積極的に交流していると述べています。若い世代から学ぶことは多く、彼らとの関わりは非常に刺激的であると感じているそうです。

ただし、若い友人を持つためには、相手にとっても魅力的な存在であることが必要です。これは一方的な関係ではなく、相互の尊重と興味によって成り立つものです。そのため、常に自分を磨き続ける努力が求められます。

6. 謙虚さと学びの関係

学び続けることのもう一つの効果は、「謙虚さを身につける」ことです。学びのプロセスでは、分からないことやできないことに直面し、自分の限界を知ることが多々あります。これによって、自分がいかに未熟であるかを認識することができ、それが謙虚さへとつながります。

謙虚さを持つことで、些細なことで怒ることが少なくなり、自分の思い通りにならない状況に対しても冷静でいられるようになります。逆に、怒りやすい人は学びが不足しており、未熟であると筆者は指摘しています。

7. 日本における学びの現状

日本は、「大人が学ばない国」とされています。これは、企業の人材投資額や、個人の自己啓発に対する意欲の低さからも明らかです。特に日本では、OJT(On-the-Job Training)を除いた人材投資額がGDP比でわずか0.1%に過ぎず、先進国の中でも最低水準です。対照的に、アメリカの人材投資額は2.08%と大きな差があります。

また、パーソル総合研究所の調査によると、日本の社会人の約半数が社外での学習や自己啓発を全く行っていないとされています。これは他国と比べても圧倒的に低く、学習意欲が低い傾向にあります。

8. 偏った学びのリスク

さらに、学びの意欲がある人でも、エコーチェンバーやフィルターバブルといった現象により、偏った情報ばかりに触れるリスクがあります。エコーチェンバーは、自分と似た価値観の人からの情報が増幅され、フィルターバブルは検索エンジンやSNSがアルゴリズムによって自分に合った情報だけを表示することで、多様な意見や情報に触れる機会が減少します。

このような環境では、自分の意見や価値観が強化される一方で、他の視点に触れる機会が減り、結果的に思考が偏ってしまいます。本当に学びを深めるためには、意識的に自分とは異なる意見や興味のない分野に触れることが必要です。

9. 日常的な学びの習慣

学びとは、セミナーや学校での勉強だけを指すのではありません。日常生活の中で、小さな挑戦や新しい経験を積み重ねることも学びの一環です。筆者が提唱する「サムシング・ニュー」という習慣は、毎日何か新しいことに挑戦するというものです。新しいお店に行ってみる、食べたことのない料理を注文してみる、知らない場所を訪れてみるなど、些細なことでも構いません。

特に50代以降になると、新しいことに挑戦する意欲が減退しがちです。しかし、現状維持は衰退の始まりであり、成長を続けるためには意識的に新しいことに挑戦し続けることが大切です。世の中にはまだまだ自分が知らないことがたくさんあり、それを学び、発見することで人生を豊かにすることができると筆者は結論付けています。

このように、50代は老害化するかどうかの重要な分岐点であり、学び続けることがそのリスクを回避する鍵であると強調されています。学びを通じて脳を鍛え、謙虚さを持ち続けることで、人生の後半を充実したものにすることができるのです。

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