「2025年7月5日、日本の海が沸く」──。
そんなセンセーショナルな“予言”が描かれた漫画『私が見た未来』が、今、ふたたび話題になっています。
作者はたつき諒さん。1999年に刊行されたこの作品には「2011年3月に大災害が起きる」と書かれており、東日本大震災と一致したとして注目を集めました。そして2021年の復刻版には、今度は2025年7月5日に海底で大きな変動があるという描写が加えられたのです。
この“予言”が海外で再燃。ブルガリアの預言者「ババ・ヴァンガ」にちなんで、「新ババ・ヴァンガ現象」とも呼ばれるようになりました。特に香港や台湾では、旅行のキャンセルや航空便の減便まで引き起こす騒ぎに発展しています。
もちろん、科学的には地震を日付まで予知することは不可能です。日本の気象庁も「特定の日時に大地震が起こると予測する根拠はない」と明言しています。
それでも私たちは、なぜかこうした“予言”に心を揺さぶられ、不安を抱えてしまいます。
■ 予言を信じてしまう心理
人は不確かな未来に対して、「確かそうな何か」を求めたくなるものです。
特に高齢になると、情報の取捨選択が難しくなり、「聞いた話」「誰かが言っていたこと」が頭の中に強く残ってしまう傾向があります。しかも、それが実際に“当たった”とされる過去の事例と結びつくと、一気に信ぴょう性が増して見えてしまうのです。
たとえば、「あの人は2011年を当てた」「だから2025年も当たるかもしれない」といった連想。そこに“もしも”の不安が入り込み、知らず知らずのうちに心を支配してしまうのです。
■ 不安との付き合い方
不安を抱くのは悪いことではありません。それは「命を守ろうとする力」でもあります。
大事なのは、不安に飲み込まれず、上手に付き合うことです。
そのための第一歩は、「自分の心がどう反応しているか」に気づくこと。「この話を聞いて、不安になっている自分がいるな」と、いったん客観的にとらえてみましょう。
そして次に、「今、自分にできる準備は何か?」を考えること。水や非常食の確認、避難所の場所の把握、身近な人
コメント