高齢者にこそゲームを──脳と心を活性化する新しい習慣

ゲームコントローラーを手にする高齢者のイメージ。ゲームは脳や心の活性化に効果的 高齢者の健康と暮らし
ゲームは若者だけのものではありません。今や高齢者にとっても、脳の健康や気分転換に効果的な“新しい習慣”として注目されています。

「ゲームは若い人のもの」──そう思っている方も多いかもしれません。ですが今、高齢者こそゲームに注目すべき時代がやってきています。
医療・福祉の分野でも、ゲームが脳や心の健康に良い影響を与えることが分かってきました。しかも、操作が難しそうに見えても、最近のゲームは高齢者にも配慮された設計が多く、思っているよりずっと始めやすいのです。

脳を活性化し、「ボケ」を防ぐ

ゲームの最大の利点は、頭を使いながら楽しめることです。
例えば、パズルや脳トレ系ゲームでは、「記憶」「判断」「素早い反応」といった機能が刺激され、脳全体が活発に働きます。

アメリカで行われた研究では、60歳以上の高齢者が特定のゲーム(『NeuroRacer』という集中力を高めるゲーム)を週に数回プレイしたところ、数週間後には記憶力と注意力が明らかに向上したと報告されています。
日本でも『脳トレ』シリーズが一時期ブームになったように、ゲームは“楽しい脳の運動”として高く評価されつつあります。

気持ちが前向きに、うつ予防にも効果

高齢になると、生活に張り合いがなくなったり、気持ちが落ち込みがちになることがあります。そんなとき、ゲームの持つ「達成感」や「挑戦心」が大きな支えになることがあります。

「今日はスコアが伸びた」「新しいステージをクリアできた」
こうした小さな成功体験が積み重なることで、自己肯定感が高まり、気持ちが前向きになったという声は多く寄せられています。
また、ゲームによって「笑う機会が増えた」「家族と会話が弾んだ」といった心理的な効果も注目されています。

孫や友人との新しいつながり

「ゲームなんて分からない」と感じる方も、お孫さんに教えてもらうことでコミュニケーションが生まれるというケースは少なくありません。
一緒に遊ぶことで、自然と笑顔が増え、会話がはずむ。とくに『桃太郎電鉄』『マリオカート』などは、世代を超えて楽しめるゲームの代表格です。

また、オンラインを通じて友人と対戦したり、スコアを競い合うこともできます。コロナ禍以降、対面での交流が減った中で、ゲームが“新しい社交場”になっているという指摘もあります。

体を動かすゲームで運動不足解消

テレビの前で体を動かすタイプのゲームは、運動不足や転倒防止に役立つと注目されています。
たとえば、Nintendo Switchの『リングフィット アドベンチャー』では、画面の指示に合わせて体を伸ばしたり、スクワットをしたり。
ゲーム感覚で無理なく体を動かせるのが魅力です。

また、WiiやSwitchの『スポーツゲーム』では、ボウリングやテニスを楽しみながらバランス感覚や反射神経を刺激することができます。

おすすめのジャンルとゲーム例

  • 🔹 脳トレ・パズル系:『脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』『数独』
  • 🔹 思考・戦略系:『将棋ウォーズ』『ブロックス』
  • 🔹 運動系:『リングフィット アドベンチャー』『Nintendo Switch Sports』
  • 🔹 交流系:『あつまれ どうぶつの森』『桃太郎電鉄』『マリオカート』

無理せず、楽しく、自分のペースで

ゲームは「頑張るもの」ではなく、「楽しむもの」です。
時間を決めて無理なく遊ぶことで、脳や体を健康に保つサポート役になってくれます。

最初は操作に戸惑うことがあるかもしれませんが、最近のゲームは文字が大きく、音声ガイドがついているものも多いため、安心して取り組めます。
不安があれば、ご家族にサポートしてもらうとスムーズです。

まとめ:ゲームは、人生をちょっと明るくする道具

高齢者がゲームをすることは、決して“子どもじみている”のではありません。
むしろ、脳・心・体すべてにやさしく効く、新しい健康習慣として、多くの可能性を秘めています。

「やってみようかな」と思った今が、始めどきです。
ゲームというツールを活かして、元気で楽しい毎日を過ごしてみませんか?

※ゲームのプレイ時間は1日30分〜1時間程度が目安です。目や体に負担をかけすぎないよう、休憩も忘れずに。

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