【高齢者のための乙4講座 第11回】危険物の消火方法と消火剤の種類

セルフガソリンスタンドの給油機を斜め横から撮影した写真。危険物取扱者乙4講座のアイキャッチ画像。 おとなの副業と手続き帳

これまで第4類危険物の性質を学んできました。今回は、それらが万一燃えてしまった場合にどう消火するのかを整理します。乙4試験では「消火方法」「消火剤の種類」「水で消せるかどうか」がよく問われる分野です。

消火の三原則

消火には除去・窒息・冷却の3つの方法があります。

  • 除去消火:燃えている可燃物を取り除く(例:燃えている布を外へ出す)
  • 窒息消火:酸素供給を断つ(例:泡消火剤で表面を覆う)
  • 冷却消火:温度を下げる(例:水をかけて熱を奪う)

この3つのいずれか、または組み合わせによって火災を鎮めます。

消火剤の種類

乙4試験では、消火剤ごとの特徴と適用危険物を問う問題がよく出ます。

  • :冷却効果が高い。水溶性液体(アルコールなど)や水に浮く液体(ガソリンなど)には効果が薄い。
  • 泡(フォーム):液体表面を覆い、窒息効果を発揮。ガソリン火災などに有効。
  • 粉末:燃焼反応を抑制。即効性があり、小規模火災に適用。
  • 二酸化炭素(CO₂):酸素を遮断する窒息効果。電気火災や狭い場所に適している。

水で消せる危険物と消せない危険物

第4類危険物は「水で消せるもの」と「水で消せないもの」に分けられます。

  • 水で消せる:アルコール類、酢酸エチルなど水溶性の液体 → 水で希釈可能。
  • 水で消せない:ガソリン、灯油、軽油など水に浮く液体 → 水をかけても広がるだけで危険。

この違いは試験でも頻出。特に「ガソリン火災に水は使えない」という点を確実に覚えておきましょう。

消火器の種類と特徴

危険物施設では消火器の設置が義務づけられています。代表的なものを整理しましょう。

  • 粉末消火器:即効性があり、ガソリン火災に有効。多くの現場で常備。
  • 泡消火器:液体火災に強く、窒息効果あり。
  • 二酸化炭素消火器:電気火災や小規模火災に利用。

セルフスタンドなどで実際に使うのは粉末消火器が中心です。

試験での出題ポイント

  • 消火方法の三原則(除去・窒息・冷却)。
  • 消火剤ごとの特徴と使い分け。
  • 水で消せる危険物と消せない危険物。
  • 消火器の種類と用途。

高齢者におすすめの覚え方

身近な経験と結びつけると記憶に残りやすいです。たとえば「ストーブに水をかけると消える=冷却」「鍋の油火災はフタをする=窒息」「燃えている薪を取り除く=除去」といった具合です。実生活の例とリンクさせて覚えると試験でも思い出しやすくなります。

今日のまとめ

  • 消火の三原則=除去・窒息・冷却。
  • 消火剤には水・泡・粉末・二酸化炭素がある。
  • 水で消せるのは水溶性液体、ガソリンなどは水で消せない。
  • 粉末消火器は液体火災に有効で、現場でも最も多く使われる。

次回予告

次回は「総まとめと試験対策」として、これまで学んだ内容を振り返り、効率的な勉強法や高齢者向けの学習ポイントを整理します。

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