行政書士時代、古物商の許可申請を代行した経験はありません。ただ、古物商の許可を個人と法人で所有しています。以下の文章は古物商の許可取得のノウハウを書いたものではなく、単なる体験談ですので、ご了承の上、お読みくだされば幸いです。
個人で古物商許可
長い間古本の販売をしていたので、古物商の許可を受けています。
ブックオフで古本を買い、ヤフオクやメルカリで売るという行為は古物商の許可が必要なのかといいますと、必要です。
これが数回だけの行為なら必要ないと見なせます。自分が読むために買ったものを手放したと判断できる回数ならです。
法律がどこを見るかというと、「業として」という部分です。
「業として」とは、反復継続して社会通念上の事業を行っている状態です。
反復継続して売り買いをして、要らないものを処分してるだけとか、次の本を買うための資金にしているとか、自分で心底そういうつもりであっても、社会通念上ですから、他人が見て商売しているように見えたら、それは「業として」売買していることになります。
古物の考え方ですが、小売店で買ったものはたとえそのままの状態で転売しても古物販売にあたります。ヤフオクやメルカリには商品の状態の項目に新品というのは無いと思いますが、とにかく、人の手を経たらそれは古物ということになります。
例外はあります。食品や化粧品のように中身を消費することが目的のものは古物ではありません。他には自分で買い付けた輸入品は古物というカテゴリに入らないようです。
小売業として問屋やメーカーから仕入れて売るものはもちろん古物ではありません。
ネット上にも卸問屋は存在しますので、個人事業主であれ、法人であれ、卸問屋が小売業と確認できる事実があれば卸してもらえますので、この場合は古物の範疇ではありません。
古物商の許可不要で売買できるものもあるのですが、概ねは必要なので取得している方が安心といえるでしょう。
古物商の許可を全ての人が得られるわけではありません。一部の人ですが、欠格要件というのが何項目かあり、それに当てはまる人は許可を得ることができません。
許可を出すのは警察署なので、推して知るべしです。善良な成人は大丈夫です。
法人で古物商許可
法人の場合もほぼ同じ手続きです。多少提出書類は違いますが。
法人というのは法律上の人なので、個人とは別人格といえます。ですから、個人で古物商の許可を得ていても、それとは別に法人での許可を得ることはできます。
警察署では個人の古物商の許可を既に取得していて、さらに法人での取得を申請に行くと、個人の許可の返納を求められます。返納のことを明言している代行業者のHPも見たことはあります。
結論は、返納しなくていいです。
警察官に返納してくださいと言われると、なにか抗いがたい雰囲気になりますが、せっかく取得した個人の許可を返納することはありません。
法人で古物をやるくらいの方は、警察署でも反論できるくらいの知識をもって許可取得に臨むといいと思います。
ただ、個人と法人で許可を取ると、いくつか問題が出てくるようです。
一つは古物商許可の管理者を置かなければならないというところです。個人と法人の管理者が同じ人物であってはいけないという決まりがあります。
個人と法人、二つの許可を得る場合は管理者を用意しなければなりません。面倒ですね。
まとめ
以上は個人と法人、二つの古物商の許可を得た者としての経験を書きました。
書いていて疑問点も出てきましたので、改めて調べなおしてみます。
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